家づくりのはじまりは、お客様との会話から
一生に一度の家だから、一緒に楽しみながら作りたい

そう話すのは、木組工務店2代目社長の新山聖将さん。
工務店で働き始めた当時、打合せの際に「家は買うのではなく、創りたいよね。」と施主様に言われた言葉に深く感動し、家づくりに対する考え方が変わったといいます。
「家族を想いながら一緒に考え、ともに作っていくことでより住宅を愛してもらえる。その思いが住宅の長持ちにつながる。」ずっと住みたいと思える家を考えながら楽しんでほしいと、積極的な家づくりの参加を提案しています。

衣食住の中で、特に貴重で特別な「住」を仕事とする工務店。
－『工務店』とは“工夫することに務める店”－
そう解釈する新山さんは、お客様の思いを形にするため知恵をしぼり、多様な要望に応えられるよう日々研鑽に励んでいます。

しかし、最初からこの道を目指していたわけではありません。
幼少の頃から教師になることが夢で、大学では教員免許を取得。「中国に行ったことのある国語の先生の授業が楽しく、その話はすっと入ってきた。自分もそういう経験があった方がいい」と、大学卒業後バックパッカーで世界各地をまわる旅に出ます。

世界中からヴァイオリン製作を学ぶ為に多くの人が集まる街
そこは住む人が街を愛している街

ドイツ南部のミッテンヴァルトに立ち寄った際、『いいことがきっとある』そう直感した新山さんは、自分の価値観を一転させる衝撃的な出会いをします。
街を歩いていると突然、通りすがりのおばちゃんに「あなた、この街に来てよかったわね。」と声をかけられた新山さん。不思議に思い「どうして？」と尋ねると、「ここの人たちはみんなこの街を愛しているから、どこに行っても困らないわよ。この街を楽しんでいってね。」との予期せぬ返答が。
「普通のおばちゃんが見ず知らずの人にこんな素敵なことが言えるなんて、すごいカルチャーショックを受けましたね。」

新山さんの人生においてのモットー、それは“この街への感謝を込めて”。

いつか、三沢に誰か来た時「三沢の人はみんなこの街が好きだから、三沢を楽しんでいってね、と胸を張って言えるようになりたい。」
三沢で仕事をさせてもらい、生きていける。
そう思った時に、このことを必ず思い出すと言います。

そんな新山さんが、三沢で過ごす中で一番イキイキしていると思う瞬間は、「趣味である空手をしている時。」6歳から始め、特待で大学に通ったほどの実力の持ち主です。
「指導が厳しく何度も辞めたいと思ったが、仲間や地域の支え、応援してくれる人がいるから続けてこられた。」
現在も三沢市空手協会に所属し、現役として大会に出場しています。
「一番学ぶべきことは、つらいことを続けること。そして自分自身を大事だと思うこと。」
それが社会に出た時の自信につながると言います。
「ここで学んだことを、今度は自分がつないでいく番。」後生の育成にも熱が入ります。

三沢に対する思いも人一倍

仕事もプライベートも全力投球の新山さん。
最後に、こんな質問をしてみました。「三沢の好きな場所はどこですか。」

「場所ではないけど、好きな時間ならある。それは“日米の国家が鳴り響く16時30分”。」

三沢を「世界で一番平和な場所」と表現し、「自分は照れ屋。でも三沢を知る努力をもっともっとして、いいところをどんどん発信していかないとね」。

熱意に満ちた眼差しで、そう締めくくりました。